苺農家さん向け 今さら聞けない苺農栽培に役立つ植物生理の基礎シリーズ3【窒素同化】

こんにちは
QS agri の桜間です。

本日もよろしくお願いいたします。

前回は、光合成と密接に関係する呼吸を勉強しました。
今回は、窒素同化作用を取り上げたいと思います。

イチゴ栽培でいう「窒素同化」は、イチゴが吸収した窒素を、体をつくる成分として使える形に変える働きのことです

体的には、イチゴが根から吸収した「無機態窒素(アンモニア態や硝酸態)」を、体内でアミノ酸やタンパク質などの「有機態窒素」に作り変えるプロセスのことです。
この働きはイチゴの体づくり(葉・茎・根の成長)や、果実の肥大に欠かせない極めて重要な代謝です。

窒素同化のプロセス

イチゴは土壌や肥料から窒素を吸い上げますが、そのままでは体の材料として使えません。

1.吸収: 主に硝酸態窒素やアンモニア態窒素の形で根から吸収します。
2.変換: 吸収された窒素は、根または葉でアンモニア態窒素に還元され、光合成で作られた糖(炭水化物)と反応して、アミノ酸へと合成されます。
3.合成: アミノ酸がつながってタンパク質になり、葉や根、そして美味しい果実の実体となります。

簡略化すると

アンモニア + 糖 = アミノ酸
アミノ酸 + 糖 = タンパク質 ≒ 果実

となります。

ここで、硝酸態窒素とアンモニア態窒素の特性に触れておきます。

アンモニア態窒素の利点について

1.エネルギー効率が高い:硝酸態窒素より窒素同化におけるエネルギー収支に優れています。
2.イチゴとの相性が良い:イチゴは比較的アンモニア態窒素耐性が高い作物です。
3.低温期での利用に効果的:促成栽培で収穫期が低温弱光期に当たる場合、培養液へのアンモニア態窒素添加は効果が高くなります。

窒素形態の吸収傾向について

研究によると、イチゴは生育ステージによって窒素形態の好みが変化します。

1.栄養成長期:アンモニア態窒素を好む。
2.開花期・結実期:硝酸態窒素を好む傾向。
3.窒素濃度条件:低窒素条件下ではアンモニア態窒素、中窒素条件下では硝酸態窒素、高窒素条件下では再びアンモニア態窒素を好む。

これらの研究結果が、硝酸態窒素75%:アンモニア態窒素25%の比率が、イチゴの生育、収量、品質に最適とされていますこの比率により

1.植物の生育促進
2.収量向上
3.カルシウム濃度の改善
4.果実品質の向上

に効果が出ます。

弊社の灌水肥料についても、最適なバランスで硝酸態窒素とアンモニア態窒素が配合されております。

窒素同化を阻害する要因について

曇天・弱光条件
光合成が不足すると

1.ブドウ糖(炭水化物)の生産が減少
2.窒素同化に必要な炭素源が不足
3.アミノ酸やタンパク質の合成が制限される
4.結果として収穫量が減少

する現象が起きます。

対策としては

アミノ酸肥料の葉面散布により、アミノ酸合成に必要なブドウ糖を節約し、果実の糖度向上や収量改善が期待できます

まとめますと、いちご栽培における窒素同化は、光合成と密接に関連し、アンモニア態窒素と硝酸態窒素のバランスが重要です。適切な窒素形態の選択、土壌pH管理、温度管理、そして光条件の確保により、効率的な窒素同化を実現し、高品質・多収穫のイチゴ栽培が可能となります

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この記事を書いた人

qsagriのアバター qsagri 代表取締役

株式会社 QS agri 代表取締役の桜間秀太です。
2022年5月9日に同志社大学京田辺キャンパスにて創業開始致しました。
肥料の販売及び開発を行っております。
農業の現場を通して培った10年間の経験で、新規就農の方、行き詰っている方、更に向上心の有る方を最大限応援致します。
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